奇跡は起きなかったけれど、人を愛するという大切なことを萌奈美から学んだ裕でしょう。もしかしたら、手術で生きるのかな・・と、思ったけれど。航一も安心のラストでした。
出演
草なぎ剛、今井美樹、佐藤健、加藤ローサ、吉田日出子、江波杏子、高嶋政伸〜
主題歌
「愛してるって言えなくたって」山下達郎
最終話
「萌奈美さんを失いたくない・・」と、強く思い航一に手術を頼むが拒否されてしまう。
「死を現実にして・・怖くなったのか。断る。・・それに俺が手術してもダメかもしれない・・」と、航一。
「人は何のために生きるのでしょうか・・」
「あのサクラが咲くのを見るのが・・私の生きる道標になるような気がして・・」と、萌奈美は裕に感謝する。
生きる希望を与えれば・・と、医師に言われたことを考える裕。
章子と一緒に病室に来る琴音。
耳が聞こえなくなり、言葉を理解出来ない萌奈美。
章子に「航一のこと・・ごめんなさい・・」と、いわれる。
言葉の理解力が弱くなった萌奈美のため、メモ用ボードを用意してくれる裕、笑顔になる萌奈美。
琴音に母・萌奈美の具合が、良くないことを告げる章子。
「ママを支えてあげようね・・人生って・・思い通りにならないことが多いのよ。人はね、苦しいことをバネに出来る力があるの。あなたにもあるわ・・」と、琴音を抱きしめる章子。
萌奈美のため、鳥の絵を描く裕。視力も衰えてくる、
「夕暮れの空って寂しいですね・・今日も終わっていくって・・」
琴音に手紙を書こうとするが、握力も低下・・ペンすら持てない萌奈美は、思うように動かない体に苛立つ。
外出許可をいうも、危険と医師にいわれる裕。
理恵は航一に「やり直しましょう」と、戻って来るが拒否する航一。
「いつかは・・愛してくれると思ったわ・・」と、航一をナイフで刺す理恵。倒れる航一。
琴音に書きかけた手紙を落とし、痛みに苦しむ萌奈美。
「私は・・何のために生きて・・悔しい・・惜しい・・」と、手紙を読む裕。
航一の手術が始まるが、血液型は特殊で血液の確保に苦労する病院。
萌奈美にサクラの花を見せる裕は、手紙を想い出す。
「萌奈美さん・・俺、何の役にも立たなくて・・」
「もう、十分役にたってます。」と、萌奈美。
ニュースで航一が、理恵に刺され重症と知る萌奈美は、車いすから立とうとするが、立ち上がることも出来ない。
裕が代わりに行く。
航一の血液型と同じ肇に頭をさげ「息子の命を助けてください。」と、章子に同意する肇。
航一の手術中、「院長と同じ血液型で・・」と、肇がいるので驚く裕。
父を心配する琴音も来る。手術は成功、安堵の家族たち。
裕、肇に感謝する章子。
「俺は院長は嫌いです。でも、院長を必要としてる患者は沢山いる・・」と、肇。
「航一の父親は・・山形出身なんです・・何か・・ご縁があったのかもしれませんね・・」と、章子に驚く裕、肇。
「俺の家族は兄ちゃんと、母ちゃんだけだから・・今もこれからも・・」と、肇。
萌奈美を支えるため、何をすれば良いのか悩む裕。
院長のため、血液をあげたのは「いつも、人のことを考える兄ちゃんを見てたからだよ・・」と、肇は裕を応援する。
章子の言葉を想い出す肇。
「あなたを助けてくれたのよ。萌奈美さんを許してあげたら・・許すのも夫婦です・・」と、航一にいう章子。
萌奈美にサクラの写真を見せる裕。まだ、蕾は堅いが毎日届けるという。
カメラを買ったと裕に、笑顔を見せる萌奈美。
コルクボードにサクラの写真が増えていく。治療を続ける萌奈美。
写真を撮り続ける裕。
医師からは、「春までは・・患者の生きると強い意志が必要です。」と、言葉を聞いている。
「いつか・・あの桜が咲く姿をみたい・・裕さんと一緒に・・」と、言葉を想い出す裕。
デジカメを見る萌奈美は、写真の日付に気がつく。
丘の桜はまだ、時間がかかるので東京の桜の写真を見せ、誤魔化していた裕だった。
「どうしても・・あなたに生きてほしくて・・」と、裕は萌奈美を抱きしめる。
「生きてください。萌奈美さん・・お願いですから・・誰のためでもない。俺のために生きてください。」
「人は何のために生きるのか・・最後の答えを教えてくれたのは・・あなたでした・・」
治療には限界があり、本人に負担がかかるので、治療不可能と医師にいわれる裕。
狭い病室よりも、在宅医療を選択する裕にアドバイスする肇。
「辛い現実を目の当たりにすることになるよ・・がんばれ。」
「僕を恨んでるだろうね・・君を追い詰め・・君を苦しめてしまった・・そして失ってしまった・・」と、子供の頃から病院を継ぐことを期待されていた自分をいう航一。
家族を作ることが希望だった萌奈美を「まぶしかった」と、いう。
「琴音のことは心配しなくていい。僕が君の分まで愛していくから。・・萌奈美・・初めてあった時から、君の笑顔が好きだった・・」と、航一を呼び止める萌奈美。
「航一さん・・さようなら・・」
裕に萌奈美を託す航一。自分の家につれて行くと、言葉を素直に聞く。
「僕は君に奪われてたんじゃない。とっくに失っていたんだ・・」と、航一。
琴音に絵の具を買って来た航一は「琴音は・・むりに医者になる必要はないよ、好きな道をいけばいい・・」と、笑顔。
肇を呼び出し、「君と血液型が同じとは・・君に救われた命で患者さんのために精一杯、生きたいと思う・・」と、航一は病院に戻ってきて欲しいという。
裕の家に来る萌奈美。手作りの料理、世話をする裕。
「萌奈美さんのために・・何か出来る時間が・・俺には大切なんです。」
琴音が肇、安奈に連れられ裕の家に来る。
「ママのレシピで作るね。ママはずっと、一緒にいるって思ってた・・ママがいなくなるなんて・・」と、料理を作る琴音。
娘の手料理で感激する萌奈美。
「美味しいよ・・琴ちゃん・・」
「ママ・・今までいっぱい、美味しい料理を作ってくれてありがとう・・あの桜も一緒に見ようね・・」と、琴音。
航一に輸血してくれた肇を知り、感謝する萌奈美。
「私には何も・・出来なかった・・それが心残りです・・」と、萌奈美。
「それは違うと思います。兄はあなたに助けられてきたんです・・兄はあなたに出会えて・・幸せだったと思います。今、この家で一緒にいる時間も、大切なんだと思います・・」と、肇。
夜が怖いと裕は「寝てる間に萌奈美さんが・・」と、失う恐怖を感じていた。
車いすで萌奈美を外に連れ出す裕。
「気持ちいい・・こんな穏やかな気持ちで空を見れるなんて・・裕さんのおかげです・・ありがとう・・」
夜
「裕さんとの思いでは・・決して多くはなかったけれど・・一緒にいると自由な気がします・・裕さんに出会えて・・本当に幸せでした・・」
「俺も・・俺もです・・」
「裕さんは・・私の分も生きてくださいね・・あなた自身の人生を幸せに生きてください。それが・・私の願いです・・」と、微笑む萌奈美の手を握る裕。
笑顔で裕の肩にもたれ、意識を失う。
医師から、「もう、意識は戻らないかもしれない。覚悟はした方がいい・・」と、言われる裕。
萌奈美の手を握り続けると、うわごとをいう萌奈美。
「時間がないんだよ!あの桜を見せに行く・・」と、裕を止める肇。
部屋に桜の木を飾る裕。
「萌奈美さん・・咲きましたよ。約束しましたよね。一緒に見るって・・春が来たんですよ。」
「裕さん・・ありがとう・・」と、涙を流し目を閉じる萌奈美。
「・・萌奈美さん・・萌奈美さん・・・あなたの・・あなたの笑顔をもっと、見たかった・・あなたの・・声をもっと、聞きたかったよ・・。本当はずっと、一緒に生きたかったよ・・
俺は俺は・・あなたを愛してます・・・愛してるよ・・」と、泣きながら告げる裕。
萌奈美のお葬式
章子が裕に感謝をする。琴音も「最後まで母を・・」と、お礼をいう。
「萌奈美の顔・・微笑んでいた・・幸せな最後だったと思う・・ありがとう・・」と、裕に頭を下げる航一。
肇は病院に戻ると、決意を安奈に告げ、プロポーズをする。
「幸せになろうね・・肇ちゃん。」
航一は理恵に萌奈美の死を告げる。
「最後まで羨ましい人・・」と、理恵。萌奈美に人生を教わったと航一。
「嫌な予感がする・・平気なわけ・・ないんだよ!・・兄ちゃんは心配かけまいと、辛い顔を見せないんだよ・・」と、山形に連絡の取れない裕を捜しにいく肇。
戻って来た裕を怒鳴る肇は、萌奈美と思いでの大切な桜を見に行ってたと知り安堵する。
毎日、通いこれからのことを考えていた裕。
萌奈美に会い、前に進むことが出来るようになれたと裕。
桜の写真、裏には萌奈美の文字。
「裕さん・・わたしはあなたを愛しています・・」
萌奈美の言葉を想い出す裕。
「兄ちゃんは1人じゃないんだな・・」
「だいじょうぶ・・だいじょうぶ・・俺、だいじょうぶだから。」と、肇にいう裕。
「あなたは優しい人でした。1日1日を大切に生きてる人でした・・あなたの柔らかな微笑みが・・私に羽ばたく勇気をくれたのです・・裕さん・・私はあなたを愛してます・・」
「だいじょうぶ・・春は必ず、来るから・・」
------完----------
結ばれた裕と萌奈美だったけれど、亡くなってしまいました。
もしかして、萌奈美は航一が手術をして記憶をなくしても、生きて行く・・と、ラストなのかな?と、思ってました。
でも、それでは萌奈美の望む人生ではないから。
これで良かったのかもしれません。最後には、愛する裕のそばにいられたのですから。
短い時間だったけれど、愛を知り、生きる勇気をもらった前向きな裕でしょう。生きる大切さを知ってる裕だから、自ら死を選択はあり得ないと思いました。
最後まで拙い文を読んで下さった方たち、ありがとうございました。
春クールのドラマは「仁」を書くかもしれません。以前、大好きで書いてました。