僕はこうしてホームレスになりました・・。15歳の少年が突然、家族を失い彷徨う物語。
チャーリー・プラマーは、第74回ヴェネツィア国際映画祭、マルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。
暗く切なく、胸が締め付けられる内容で泣けました。なぜ、まだ子供なのにこんな苦しい目に?父親のせい?母親?
可哀想で本当に見ていて辛かった。それほど感情移入してしまいました。
ネタバレ度50%くらい
ストーリー
父親は時々、家に女性を連れてくる。
そんな時は気を使うチャーリー(チャーリープラマー)は15歳、フットボールが好き。
母親は家を出て行った。
冷蔵庫にはビールとシリアルだけの家。
競馬場で馬主デルと知り合い、バイトで競走馬ピートの世話をすることに。
ピートの世話をするうちに楽しくなり、友達のように話しかけるチャーリー。
しかし、父親が亡くなり・・ひとりぼっちになってしまう。
唯一、頼れるマージー叔母さんに会いに行くため、ワイオミングを目指す。
こんな内容です。
父親がいい加減というか、配慮が足りない。自分にもしも・・ということがあれば、息子は1人になってしまう。
なのに息子から、叔母の電話番号を聞かれても教えない。
デルにも、食事時のマナーの悪さを指摘されたチャーリー。
この辺りも父親の性格が出ていると思いました。
チャーリーは父が亡くなり、寂しさを感じてるけれど、泣いたりしない。グッとこらえてる感じ。
友達のように大好きなピートを連れて歩いてる時も、必死で心細さを誤魔化してるようにも感じました。
競馬の厳しい現実を知り、ショックを受けたチャーリー。
デルが馬をこきつかう・・と、噂を聞いて不安に。
レースに勝てなければ、メキシコで虐殺される事実。
騎手ボニーから、
「馬を愛しちゃダメ。競走馬はペットじゃないわ」と、言われるのです。
ピートが売られると知り、トレーラーごと奪い、逃走するチャーリー。
その後、ピートと叔母を探しながら、ワイオミングに向かうのです。
道中、色々なことが起きるし、馬も少年もろくに食べられず、飲むことも・・と、いう流れ。
映画とはいえ、馬が大好きなので可哀想でした。
競争馬なのに荒野を歩かせたり・・。
チャーリーはまだ、幼いし、馬のことも詳しくない。
悪い大人たちにも遭遇し・・。
叔母を探す方法も昔とは言え、あれで見つかるの?と、不安も。
本当に叔母に会えるのか、会えても叔母の生活に迷惑をかけないか?と、不安でいっぱいのチャーリー。
それでも、それしか道はない!と、思ってるのも辛い。
自分ではそんなつもりはなくても、世間から見ればホームレスになっていたのです。
悲しみを抑え込み、必死で叔母に会う!と、これだけで生きていた。
そんな彼の思いを俳優が見事に演じてます。
目線や、表情、落ち着かない素振りなども良かったです。
本当に夢中で観てしまった映画。
こうしてホームレスの子が悪いことに手を染めて・・犯罪になってしまうのかも、と思えます。
子供が生きるために精一杯なのに、周囲の大人は助けてくれない。
怖い夢を見るというチャーリー。
「ピートが溺れてるのに・・助けられない。そのことが悲しい・・」
このシーンは嗚咽でした。
私は涙腺弱いのですがやはり、最後は泣いてしまいました。
でも、誰が観ても良い作品だと思います。
おすすめです。
最後まで読んでくださった方たち、ありがとうございました。
好き度は★4.5個(満点5個)