白人と黒人の友情はこの時代、理解してもらえない。当時、それを悔しいと思ってる人々もいた。そんな男たちのやり切れない物語。
2017年製作・アメリカ・120分
ネタバレ度50%くらい
ストーリー
第2次世界大戦中、ミシシッピ・デルタの綿花農場で働く地主ヘンリー(ジェイソン・クラーク)、妻ローラ(キャリー・マリガン)の白人マッカラン一族。
戦争へ従軍したヘンリー弟・ジェイミー(ギャレット・ヘドランド)、ジャクソン家のロンゼルは帰郷。
戦争のPSTDで苦しむジェイミーとロンゼルは親しくなるが、周囲には理解されない。
南部では人種隔離政策が根深く、ジャクソン一族はマッカラン一族に見下され、使用人のように扱われてしまう。
特にヘンリー、ジェイミーの父は黒人を毛嫌いし、ロンゼルと親しくするジェイミーを怒っていた。
ある日、ロンゼルを拉致してしまう街の人々。
こんな重い内容です。
同じ状況の白人家族、黒人家族ですが世間の見方は全然違うのです。
国のために戦い、帰郷したロンゼルは買い物しても店の裏から出ろ、と命令されます。
ロンゼルもジェイミーと同じように戦争で戦い、苦しんでいたのに。
前半は、ヘンリー家族の様子を描いてます。
ロンゼルはヨーロッパでは自由な環境で生活してました。でも、故郷に戻ったら・・差別される社会。
でも逆らうことは出来ないのでした。
それはジェイミーも同じで、ロンゼルが酷い目にあっても助けることが出来ない。
それが歯痒くて悔しい、そんなジェイミーの姿も印象的です。
ロンゼルの母にすれば、こんな理不尽で苦しいことはない。
声をあげても誰も助けてくれない。見ていてとても辛かったです。
南部の貧困を描いているのですが、白人、黒人も同じように苦しい時代なのに・・と、思ってしまいます。
後半、ロンゼルが白人たちに拉致され・・という展開には言葉を失います。
きっと、ああいうのは事実なのでしょうね。悲しいけれど。
ラストだけは唯一、救われたシーンでした。
暗い作品ですが多くの人に観て欲しいです。
最後まで読んでくださった方たち、ありがとうございました。
好き度は★4個(満点5個)