原作は歌人/詩人の萩原慎一郎のベストセラー。2019年には紀伊國屋書店の書店員が選ぶ「キノベス」8位に選出されています。
2020年製作・日本・120分・PG12
ネタバレ度50%くらい
ストーリー
厚生労働省で働く若手官僚の鷹野(浅香航大)は無力を感じ悩んでいた。
ある日、NPO団体から非正規雇用が原因で自殺した人たちのリストを見て、自分と同じ25歳の男性に興味を抱く。
こんな感じの内容です。
地味で暗いイメージのまま流れる物語。
中学2年、学級委員長(寄川歌太)は虐められていた幼馴染の裕翔を助けますが、今度は自分が狙われてしまいます。
シングルマザーの母にも相談出来ずに苦しみます。
唯一、話し相手になって支えてくれたのが、天野という絵を描くのが好きな女子。
切り絵作家の翠(水川あさみ)は、夫との関係に不安を感じています。
成長した3人が大人になっても過去を忘れられず、悩みながら前を進もうとする、そんな作品だと思います。
いじめは本当に許せませんよね。
こんなに苦しんでいるのに・・きっと虐めた方は覚えていないと思います。
前に進む気持ちすら奪うトラウマ、感情、痛みを静かに流れる水のように描いています。
原作者の萩原慎一郎氏は、32歳の若さで命を絶ってしまったので遺作になった作品です。
ワンシーンですが染谷将太くんの出演も。
とても現実的であり、誰にでも当てはまりそうな問題を丁寧に描いてると感じます。
特に翠の不安、選択はよくわかります。
好みはあるでしょうけれど、良い作品だと思います。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★3個(満点5個)