ゆっくりと2人だけの時間が流れる大人の優しい恋愛物語。たい焼きが食べたくなりますね。
2020年制作・日本・99分
監督 中川龍太郎
脚本 梅原英司、中川龍太郎
ネタバレ度90%
ストーリー
大学の研究室で働く行助(仲野太賀)は、たい焼き屋を営むこよみ(衛藤美彩)を密かに思っていた。
ある日、事故で新しい記憶を短時間しか留めておけなくなったこよみを心配する行助。
こんな感じの2人です。
行助は仕事が終わり、こよみの作るたい焼きを買って食べるのを楽しみにしています。
足が悪く歩く時は引きずっている行助。
真面目で素朴、遊び歩くようなこともしないタイプ。
こよみは行助のことは覚えています。けれど、新しい記憶を忘れてしまうのでした。
1人暮らしで不安そうなこよみを見て、「僕の家に来ないか?」と、声をかける行助。
こよみは行助の家で共同生活を始めます。
同棲ではなくて、共同、ただ一緒に住んでいるだけ、という感じの2人。
もちろん部屋も別です。
こよみは行助を「ユキさん」と呼んでいます。
親切な行助に感謝するこよみは翌朝、「ここは・・ユキさんの家?」と、戸惑っています。
昨日、自分の意思で行助の家に来たことも覚えていません。
そんなこよみに優しく事情を説明する行助。
これが毎朝、続きます😅
朝になると、昨日のことはすっかり忘れているのです。
でも古い記憶は残っているので・・たい焼き屋を今まで通り、屋台で焼いて売ることが出来ます。
料理も作ってくれるこよみにある日、行助は「ブロッコリーは苦手」と、話します。
数日後、それも忘れているこよみはまた、ブロッコリー入りの料理を作ります。
黙って食べる行助の優しさ。
こんな感じで特に大きな事件も起きず、2人の生活シーンが淡々と続きます。
でも、それがとてもほっこりする映画ですね。
とにかく行助が優しいのです。
こよみ前の彼氏の登場もあり、少し嫉妬する行助だったり。
そんなある日、こよみ元彼の件で苛立つ行助は怒ってしまいます。
「ブロッコリーは嫌いだ!」
ショックで家を飛び出すこよみ。
その後、こよみのノートにメモを発見する行助。
「ブロッコリーは苦手」
こよみは忘れないように、メモを色々な場所に置いていたのでした。
それを知り、慌ててこよみを探しに行く行助。
必死で足を引きずって、こよみを探す行助が切ない。でもすぐに彼女を見つけ、2人で並んで座る姿が良かったです。
この2人には幸せになって欲しい、と思える映画。
一緒にいて楽しい事があっても、それを忘れてしまう・・・というこよみの辛さ。
行助はこよみとの思い出を共有出来ないのが切ない作品でした。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★3個(満点5個)