大人の恋愛を身分違いの2人で描いてる切ない作品。
アマゾンプライムビデオで視聴。
2018年制作・インド、フランス合作・99分
原題 Sir
監督 ロヘナ・ゲラ
ネタバレ度30%(後半ネタバレ度90%)
ストーリー
インドのムンバイで農村出身のラトナ(ティロタマ・ショーム)はデザイナーの仕事をしたい、と夢を持って住み込みのメイドとして働く予定。
場所は高級マンション、新婚生活を送る予定の建設会社御曹司/アシュヴィンの家。
こんな感じの内容です。
冒頭に書いたように身分違いの恋愛映画。
つまり、メイドのラトナと御曹司・アシュヴィンの恋です。
インド映画ですが歌わない、踊らない、笑わない真面目な作品。
もっと知りたい方
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90%のネタバレ
結婚予定のアシュヴィンは婚約者の浮気を知り、結婚を中止。1人で高級マンションに住むことに。
住み込みのメイドとして、アシュヴィンと一緒に暮らすラトナ。
時々、元婚約者からプレゼントや電話が来るも拒否するアシュヴィン。それを見て元婚約者から電話が来たら「留守です」と、嘘で断るラトナ。
ラトナは結婚後、すぐに夫は病死で未亡人となった。
夫は病気を隠してラトナと結婚、すぐに未亡人となり行き場がないラトナ。
村の慣習で未亡人は身分も低く、再婚も出来ない様子。それでも夫の家族に尽くさないと怒られる。
妹には自分のような人生を歩んでほしくない、と仕送りをして大学を卒業させたいラトナ。
しかし、妹は大学卒業を2ヶ月後に控えながらも結婚。
ショックのラトナは落ち込み、アシュヴィンはそんなラトナを気遣うのだった。
アシュヴィンの身の周りの世話をするラトナは彼に頼み、服作りの勉強のため数時間、自由な時間をもらえることに。
帰りが遅くなっても怒らないアシュヴィン。
ラトナは婚約者が浮気したアシュヴィンが落ち込んでいるのを見て胸を痛める。
お互いを思いやり、言葉を交わさなくても気遣うラトナとアシュヴィン。
ある日、アシュヴィン母に呼び出され、実家で料理をするラトナ。
彼女の帰りを心配するアシュヴィンはキッチンへ。
キッチンではメイド仲間と床に座り、食事をしていたラトナだった。
家に帰り、床に座って食事をしてたラトナに質問するアシュヴィン。
あんな生活で良いのか?そんな言葉に傷つくラトナ。
服作りのため、別の教室に通うラトナを心配するアシュヴィンは優しく見守る。
そして・・彼女に思いを告げるアシュヴィン。
身分の差を理由に拒否するラトナはこのままではいけない、と判断してメイドの仕事を辞めることに。
ラトナが去り、寂しいアシュヴィンだった。
村に戻っても仕事はない、将来の夢も叶えることは出来ない。
未亡人として一生、見下される生活になる・・と考えるラトナは悩む。
そんな時、アシュヴィンからの電話に出るラトナ。
「アシュヴィン・・」と、彼の名前を初めて呼ぶ。
完
ラトナはアシュヴィンのメイドです。
だからずっと「旦那様」と、呼んでいたのです。その呼び名が嫌だったアシュヴィン。
やっと、自分の名前を呼んでくれた、と喜んでると思いました。
そして自分の生き方を考え、身分の差よりも愛を選択したラトナ。
「アシュヴィン」と旦那様ではなく、名前を呼ぶことができたのでした。
ずっと「旦那様」と呼んでいたのでラストの一言は観ていて感動。
ラトナは自分を抑え、自由も望まず、真面目に必死に働いていた。そんな彼女がやっと、自分の意思を告げることができた!と。
とても静かに物語は進み、観る人によっては退屈に感じるかも。
でも私は好きでしたね、ラトナとアシュヴィンを見守りたかったから。
身分の差はこの国では難しいことなのでしょうね。
周囲の目もあるし、何よりもアシュヴィンの家族は許さないと思います。
それでも彼はラトナと生きる道を選びました。そして彼女も彼と生きる道を選択したのでした。
原題が「Sir」というのも切ないです。
ハッピーエンドだけど、じっくり観ていないとわからないラストだったかも。
とても心地よい作品でした。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★3個(満点5個)