菅田将暉、有村架純のダブル主演!夢のようでもあり、現実的な恋愛を丁寧に描いた作品。ネットフリックス見放題、アマゾンプライムビデオは有料。
2021年制作・124分
監督 土井裕泰
脚本 坂元裕二
ネタバレ度90%
ストーリー
2020年
2人は別々の友人と一緒だったが、考え方は同じだった。
1つのイヤホンで片方ずつ同じ音楽を共有しているカップルを発見。
「イヤホンで聴いたら、LとRで鳴ってる音は違う。片方ずつ聴いたらそれはもう別の曲なんだよ」
片方ずつで聞いたらそれはもう別の曲になる、という考えの麦。
「ベーコンレタスサンド、ベーコンとレタスを分けて食べました。それ、ベーコンレタスサンド?」
それは違う、という考えの絹。
あの2人は同じ曲を聴いてるつもりでも違うの、と言う絹だった。
2015年
大学生の麦と絹は終電を逃し、深夜営業のカフェに。
話していると2人の考え、趣味は共通してる部分が多く盛り上がる。
好きなものが共通することもあり、お互いの趣味を理解しているので、話も合う2人は麦の告白から交際することに。
長い時間、話しても語り尽くせないほどに話題が尽きない2人。
大学卒業後、広い部屋に越し同棲する2人。
イラストレーターの麦は仕事としては収入は多くない。好きな仕事だが、生活する上では困難な事だと感じ始める。
けれど、親からの仕送り5万もあり、楽に生活する2人。
絹は簿記の資格を取り、医院の事務の仕事を始める。
2人の生活に呆れる親は仕送りを中止、麦は仕方なく営業職の仕事を始める。
予想以上に営業の仕事に苦労し、疲れ果てる麦はイラストを描く余裕も失ってしまう。
そんな麦を見ても、1人でゲームをしたり、好きな漫画を読み続ける呑気な絹。
やがて・・2人の会話も少なくなり、セックスレスにもなり麦は苛立つように・・。
ある日、収入よりも好きな仕事を!と、イベント会社に転職する絹に呆れる麦。
「仕事しなくていい。俺と結婚しよう」と、乱暴に言い出す麦に驚く絹。
2019年
友人の結婚式の帰り、別れ話をする2人だが・・。
突然、「やっぱり、結婚しよう。別れるのはいやだ」と、言い出す麦。
昔のように恋愛感情がなくなっても、それなりに家族として連れ添ってずっと一緒にいよう、と。
その時、カフェの近くにいた若いカップルの会話を聞いてしまう2人。
若いカップルは昔の麦と絹のように・・盛り上がっていた。
当時を思い出す麦と絹・・はもう、あの頃には戻れないと感じる。
その後、ハグをして別れる麦と絹・・。
しかし、次の引越し先が見つかるまで3ヶ月間は同居したままだった。猫のバロンは麦が連れていくことに。
2020年
麦と絹は別々の同伴者とエレベーターの中で再会。
お互い、知らぬ顔をしてパートナーと笑顔で話しているが・・絹は麦に向かって後ろで手を振り・・。
麦もパートナーに気づかれぬよう・・絹に向かって合図を送る。
「今日、元カレにバッタリ会った。多分、あれは私があげたイヤホン。2人でSMAPの「たいせつ」聴いたな。SMAPが解散しなかったら・・私たちも別れなかったかな・・なんてバカなことを思った」
「今日、元カノにバッタリ会った。きのこ帝国が活動休止したこと、『粋な夜電波』が終わったこと。今村夏子が芥川賞を取ったこと、どう思ったかな・・多摩川の氾濫の時、ニュース見て何を思ったかな・・よく2人で行ったパン屋があったはず・・」
パソコンでパン屋を検索する麦。
「6年ぶり・・2度目の奇跡を目撃した」と、驚く麦。
グーグルビューに映っていた麦と絹を発見する。
-----完----
ずっと好きなことをしていたい絹を仕事を始めて成長した麦は
「いつまでそんな子供みたいなことを!」と、呆れてしまうのでした。
これは私でも思ったこと。
仕送りが無くなり、2人の生活を守るためにも必死で嫌なことにも耐えた麦。
社会の厳しさを実感します。次第に夢見る絹についていけなくなった・・という感じ。
これは誰でもよくある事だと思います。
絹は絹で、仕事で忙しい麦に文句も言わず、1人で映画を見たり、音を出さないように気を遣いながらゲームをする。それなりに気を使ってます。
若い学生時代の恋愛は結婚には繋がらない、とは思わない。
でも、この2人の場合は次第に考えがズレていった・・という感じですね。
嫌いで喧嘩別れした訳ではないけれど、好きだったけどもう昔のように一緒にはいられない。
そんな思いだったから、別れたのだと思います。
社会に出て色々な人を見たり、意見を聞くと考えも変わる事があります。
それで疲れ果ててしまい、パートナーの事を前のように接する余裕がなくなる事も多いでしょう。
それでも結婚する人もいるだろうし・・成長して考え方が変わるのは普通、よくある事だと思いました。結婚ってほんと、タイミングが大事ですから。
そんな「普通の2人」を描いてるのが良かったですね。
キャストもピッタリだと思います。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★3個(満点5個)