愛する子供を失い、試行錯誤しながら生きる夫婦のストーリー。ネタバレ半分。
出演 ニコール・キッドマン、アーロン・エッカート
2010年
監督 ジョン・キャメロン・ミッチェル
映画を観て、気分転換したい人にはオススメしません。でも良い作品です。
ベッカ(ニコール・キッドマン)とハウイー(アーロン・エッカート)は夫婦。
8か月前に1人息子のダニーを失ってしまう。
4歳のダニーを忘れられず、苦悩するベッカとハウイー。
笑いや緊張はないけれど、涙なしでは観れません。
ベッカの悲しみに感情移入してしまった映画でした。
子供を失い、悲しみと絶望の夫婦。
周囲の人たちは2人を気遣い、言葉選びも慎重になっています。
でも、それがよけいに苛立ったり、苦しくなってしまう2人。
悲しみのやり場がない分、夫婦ゲンカする事も。
ハウイーは悲しみに耐えています。
妻のベッカには、「前に進もう」と、提案するのですが・・
ベッカは怒ります。
8か月じゃ、先を考えるのは早いと思うのだけど。
ベッカの母親は事情があり、辛さは理解出来るのです。
けれど、母親の言葉すらも、受け入れることが困難なベッカ。
ケンカしながらハウイーと暗闇の中、手探りで歩いてるようなベッカ。
ある日、息子の事故を起こした少年と遭遇します。
少年との出会いで、苦しみから前に進もうとするベッカ。
ここも泣けました。
子供の遺品を少しずつ、整理して
「悲しみは消えない。でも変わる・・のしかかっていた大きな石が、ポケットの小石に変わる。時には忘れさえするけれど・・ふとポケットに手を入れると・・やっぱりある」
辛くても、子供が残したものなんですよね。
私は子供を失った経験はありませんが、ペットロスで苦しんだ事があります。
悲しみは・・乗り越えるものではないと思います。
時間が癒やしてくれるけど。
家族を失った苦悩、悲しみは「共に生きる」ものだと思ってます。
悲しみは消えない。
部屋にあった愛猫のベッドなどを片付ける時、苦しいけれど、「大きな石は小石」になった気もします。
きっと、それは「時間が癒やす」って事なんでしょうね。
地味で静かに流れる映画なので、退屈に感じる人もいると思います。
でも、私は観て良かったと思える作品でした。
好きレベル☆☆☆☆☆(5個満点)
ニコール・キッドマンの映画は外れがないと思います。