お酒って本当に怖いですね。辛いことがあっても飲めない人は何に走れば良いのかしら・・なんて思ってしまいました。家族愛の作品。
東京にいる長女・紫(ミムラ)は専業主婦。
次女・藍(比嘉愛未)は、富山で教師をしている。
三女・茜(佐々木希)は、金沢で老舗料亭のおかみとして働いていた。
三姉妹の祖母・辰子(多岐川裕美)葬儀の日、遺書により、実母・美津子(鈴木保奈美)が生きている、と知り驚く。
美津子がいる施設に行くと、アルコール依存症による認知症であり、娘のこともわからなかった。
子供の頃の記憶は、お酒を飲んでいる母・・だった三姉妹。
三人は母がなぜ、アルコール依存になったのか・・と、母が働いた場所に行き、真実を探る・・というストーリーです。
アルコールをあれだけ飲むのは、それなりの理由があったのでした。
料亭の息子と結婚したものの、姑である辰子が優しいけれどやはり、おかみだけあって強い人。そのプレッシャーもあったと思います。
そもそも、息子は絵描きだったのですが不倫し、1人で自殺。
死ぬほどの何かを感じていた息子だったかと。
夫が不倫、そして自殺・・ショックの美津子がお酒に溺れたのも・・って流れでした。
ある日、美津子の家が火事になり、三姉妹を自分の家で育てる決意をした辰子。
アルコール依存の美津子を入院させ、断酒を誓わせたのです。
美津子は子供のため、頑張って断酒したのですが・・失敗。
そして、アルコール依存による認知症と発覚・・子供たちに迷惑をかけたくない、と去ります。
何も知らない三姉妹には、母親の良い記憶などなくて・・可哀想でした。
大人になった紫は、母の影響があるのか・・モラハラの夫に逆らえず・・辛い日々。
妹が辛い思いをしてると知り、支える藍。
アルコールに溺れ、ボロボロの母親役を鈴木保奈美が演じています。
若くても、アルコールで認知症になる?と、驚きました。
モラハラ夫に怒鳴られても、泣いて謝罪する紫が切なかったですね。なぜ、あんな男に従ってるのか。
逃げ出せないのか・・って。
三姉妹が子供の頃、ピアノの発表会で弾いたカノンは、美津子思いでの曲。
施設で大事に持っていたオルゴールの曲がカノンでした。
娘たちの記憶がなくても、大事な思い出の曲を覚えていた美津子のラストにはウルウルでした。
記憶って本当に大切ですよね。
それがあれば、年をとっても1人で生きていけそうな気もしました。
母の愛、娘たちの愛、家族の繋がりを感じた作品でした。
好き度は★3個(満点5個)
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