胸が苦しくなるほどのヒューマンサスペンス!絶望から怒りに狂う気持ちもわかります。
2021年製作・日本・PG12・107分
ネタバレ度50%くらい
ストーリー
中学生/添田花音(伊東蒼)は、スーパーで万引きが見つかり、走って逃げるが車に轢かれて死んでしまう。
花音を追いかけていたスーパー店長/青柳直人(松坂桃李)。
娘に無関心だった花音/父・充(古田新太)は、娘は無実だ!と、激怒して店長らを追求する。
こんな内容です。
事故のシーン、リアルなので驚きで息も止まりそうでした。
見ていると、花音は万引きをしていた?する途中だった?と、微妙な感じ。
それを店長が必死で追いかけ、行き過ぎなのでは?と、思ってしまいました。
でも、店側からすれば当然のことですよね。
花音が亡くなり、悲しみよりも怒りが強い父・充を古田新太が演じているのですが・・これが怖い。
本当に怖くて追求された青柳が今度は可哀想に思えるほど。
え?誰が悪い?と、考えてしまいます。
万引きしようとした花音も悪いけれど、責めることも出来ない。
充にすれば、「娘はそんなことは絶対しない」と、思ってます。
追い詰めた青柳が悪い!と、決めつけてます。
充から怒鳴られ、追い詰められた青柳は心労でうつ状態に。
これも見ていて可哀想で辛い。
青柳にすれば、店のことを考えて万引き犯を追いかけていた。でも、もしかすると・・万引きしていない?と、不安も。
ずっと、花音は万引きしたのか?していないのか?が、わからないのです。
ただ、充が怖くて青柳が次第に追い詰められ、精神が病んでいくのに胸が苦しかったです。
青柳を心配するスーパー・パートおばさんを寺島しのぶが演じてます。
お節介もありつつ、こういう人いるなあ、と感じます。
娘が亡くなりやっと、存在に気がついたような父親。
そして1番の被害者では?と、思うのが花音を轢いてしまった車の運転手。充に謝罪するのですが、彼はそれを拒否します。
この辺り、本当に胸が痛みます。
なんでこんな事に?って。
確かに謝罪で花音は戻るわけではないのですが。
この作品、登場人物が全て納得出来るほどの演技をしているのです。
突っ込む部分もないくらい、細部にわたり描いてて、観ている人がうなってしまうほどの映画だと思います。
好き、嫌いに関係なく作品として素晴らしいです。
交通事故も本当に恐ろしい、と強く感じた作品です。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★5個(満点5個)