現役医師・南杏子の小説で初の医師役を演じる吉永小百合。冬の金沢が素敵でした。
ネットフリックス、アマゾンプライムビデオでも視聴出来ます。
2021年製作・日本・G・119分
ネタバレ度80%
ストーリー
大学病院の救命緊急医として働いていた白石咲和子(吉永小百合)。
ある日、トンネル事故の負傷人の治療を行なっていたが・・医師免許を持っていない野呂(松坂桃李)の責任を取る形で大学病院を去る。
こんな感じで始まります。
最初の治療シーンはリアルで驚きました。野呂は医師ではないのですが・・痛みを訴える患者に治療行為を・・。
咲和子はその責任を取って辞め、故郷の石川県に戻ります。
在宅治療を行う「まほろば診療所」に勤める咲和子は大学病院とは違う「命」との向き合い方などに戸惑います。
咲和子を追って野呂も診療所に来ます。
その他、小池栄子、泉谷しげる、みなみらんぼう、石田ゆり子、松金よね子、柳葉敏郎、南野陽子、森口瑤子など出演。
咲和子の父親役に田中泯。
在宅治療の患者はガン患者が多く、亡くなる方も。
見ていて辛いシーン、泣けてしまうこともあり、切ない思いでした。
でも、自宅で家族に見守られながら最期を・・というのは理想ですよね。
難しいケースもあり、苦悩しながらも前向きに治療を行う咲和子がたくましく見えました。
末期ガンのため、最新の治療を求める患者。
両親に「ガンの子でごめんね」と、謝って亡くなる子供も。
その子のため、車を売って最新の治療を受けさせてあげたい、とお金を作った野呂。
ガンで痛みをコントロールしながらも、タバコを止めない患者も。
最期の前、間に合わない息子のふりをして「親父!」と、声をかける野呂のシーンは泣けました。
訪問看護師・星野麻世(広瀬すず)は事故で亡くなった姉の子を育てながら、咲和子を慕っています。
彼女も後半、勇気を出して車の免許を取ることに。
後半、咲和子を尊敬している野呂は医師になることを決意、勉強の為、まほろばを離れます。
特に父親が骨折後、病状が悪化して脳の誤作動でモルヒネも効果ない痛みに苦しみ、苦悩する咲和子。
父は自殺しようとしますが失敗、体も動かなくなり、痛みで悲鳴をあげるほど。
「殺してくれ・・この痛みから解放してくれ」と、叫ぶ父に胸を炒める咲和子。
自分の最期は自分で決めたい、と言っていた父ですが・・安楽死は犯罪。
でも父を楽にしてあげたい・・と、苦悩します。
まほろば診療所の院長に、父を苦しみから解放してあげたい、と告白する咲和子はまほろば診療所を去ります。
驚き止める院長でしたが・・。
「るろうに剣心」などで素晴らしいアクションを見せてくれた田中泯さん。
この作品ではしっかり、老人役に徹していて凄いと思いました。
特に痛がるシーンは本当に患者のようでした。
広瀬すずさんもふとした瞬間の表情が演技上手いと。
ラストシーン、父と綺麗な朝を見て泣き出す咲和子が印象的でした。
そこで映画は終わりなのですが、その前に点滴が映るので・・。私としては父を楽にしてあげた、と思います。
原作はどうなんでしょうか。
在宅治療、末期ガン、最期の迎え方など・・色々と考えてしまいましたが作品として観て良かったです。
吉永小百合さん、あれで76歳には見えませんね。本当にお綺麗です。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★3個(満点5個)