石原さとみ主演のヒューマンドラマ作品。娘の失踪で苦しむ母親の心情をリアルに描いた物語。
ネットフリックスで鑑賞です。
2024年制作・日本・119分・G
配給 ワーナー・ブラザース
劇場公開日 2024年5月17日
監督 吉田恵輔
脚本 吉田恵輔
ネタバレ度40%(後半ネタバレ度90%)
あらすじ
沙緒里(石原さとみ)と豊(青木崇高)の娘/美羽が突然、いなくなってしまう。
捜索を続けるも、情報のないまま3ヶ月が過ぎていく中、焦る沙緒里は豊と喧嘩が絶えなかった。
唯一の頼みでもある地元のテレビ局の記者/砂田(中村倫也)の取材を受ける沙緒里。
美羽の失踪時、ライブに行ってたことをネットで育児放棄と叩かれ、自分を責める沙緒里。
もっと知りたい方
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90%のネタバレ感想
まず、最後まで娘の美羽は見つかりませんでした。
沙緒里と豊は喧嘩しながらも、お互いを支え合って娘を思いつつ生きていく・・という感じのラストです。
子供がいなくなり、その後の捜索は警察に任せていますが実際、何も出来ない両親の歯痒さ、苦悩をリアルに描いてます。
特に沙緒里は失踪当時、ライブに運悪く行ってたことで周囲からも冷たい視線を浴びる羽目に。
「もしもあの時、ライブに行かなかったら?」
自分を責める沙緒里。
美羽を最後に見た人物は沙緒里の弟、圭吾です。一緒にいたけれど、最後は1人で家に帰らせた圭吾。
(家まで徒歩5分程度だったから)
沙緒里の弟/圭吾(森優作)は幼いころ、車に連れ込まれたこともあり、事情を説明する時に嘘をついてしまいます。(トラウマ)
嘘の証言ですね。いずれ、バレてしまうのですがこれが怪しい・・と疑われることに。
圭吾なりに苦しみ、姪っ子の失踪に胸を痛め、姉に対しても申し訳ない気持ちもあったのです。
ただ、それを上手に伝えることが出来なかった不器用な圭吾。
これが周囲に怪しまれ、「お前が怪しい、犯人だろう」と言われてしまいます。
そして、嘘の証言がバレた時は当然、姉からも「嘘つき、死ね、失せろ」と酷いメールを送られてしまいます。
この時の沙緒里、「死ね」と圭吾にメールするのですが、それがもの凄い速さで文字を打ちます。
怒りに狂う母親の姿・・という感じ。
後半、子供を連れた怪しい人物を見張り、自分なりに姪っ子を探そうとしていたほどの圭吾。
誤解されやすい圭吾も、この事件で仕事を失ってしまいます。
見ていて思ったのはやはり、こんな時だからこそ、SNSでの情報集めもしたいところ。
けれど、SNSを見ればライブに行ってた母親の沙緒里を責める書き込みばかりです。
夫の豊から、「便所の落書きだ。見るな」と言われても見てしまう沙緒里。
何もしないでいるのは出来ないのでしょう。
テレビの取材を受けることは、情報を得たい、この事件を忘れないで欲しい、と沙緒里の強い思いです。
でも残念ながら、テレビ局は視聴率が稼げればそれで良いのでした。
娘は戻ってこないけれど、誕生日を祝いたい思いで取材を受ける沙緒里。
でも、誕生日の日は選挙があるので撮影は出来ないと知り、今週に撮影してもらおう!と、提案します。
誕生日でもないのに、撮影に合わせてケーキでお祝いをする沙緒里。
そんな沙緒里を見て「おかしい」という豊はいつも冷静です。
娘のチラシを配る沙緒里はいつも真剣ですが、イタズラする人も多いのに驚きました。
沙緒里の携帯に、警察からと名乗り、「娘さんは保護されました」と。
大喜びで警察に向かう沙緒里と豊ですが・・イタズラ電話と判明、ショックで失禁してしまいます。
このシーンは本当に迫力もあり、石原さとみの演技はすごかったです。
それにしてもきっと、実際の事件でもこのようなイタズラがあるのでしょうね。酷いです。
印象に強く残ったのはこの沙緒里の叫びながら倒れ、そして失禁するシーンでした。
他にも圭吾の取材時、怪しいと言い続けるテレビ局の女性スタッフ。
印象だけで言いたいことを言って人を傷つけてる、と嫌な気持ちになります。
テレビ局のスタッフは皆、視聴率を稼ぐことばかり考えてますが唯一、砂田だけは沙緒里の気持ちに寄り添ってくれています。
圭吾の証言が嘘とバレ、それはカジノに行ってた事を隠したかったとわかります。
これも運悪く、誘われてカジノに行っただけ。それをSNSでは結局、
「親ガチャ、同情狙いの誕生日、徒歩5分を送らずカジノとか頭おかしい」などと書かれてしまいます。
「姉は娘よりライブ、弟は姪よりカジノが優先」など書かれ、傷つく沙緒里、圭吾たち。
2年後
美羽の行方はわからず、探し続けている沙緒里たち。
ある日、同じような幼い少女/さくらが失踪と知り、美羽の事件と重ねる沙緒里。
けれど、警察に行っても関係ないと言われ結局、さくらは無事に見つかります。
(犯人は逮捕される)
さくらの無事を知り、嗚咽しながら「本当に良かった」と喜ぶ沙緒里。
美羽のために購入したケーキですが再び、SNSには「子供がいなくなり、高級スイーツ購入」などと書かれてしまいます。
傷つく沙緒里のため、豊は弁護士に相談して、根拠のないデマを書いた人物を名誉毀損で告訴。
娘を失った沙緒里は、小学生の登校を見守るボランティアをして終わります。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★5個(満点5個)