優しい幽霊との出会いと別れ。心残りがあるからこの世に残っていたんですね。
アマゾンプライムビデオで鑑賞です。
2016年制作・日本・120分
監督 平松恵美子
脚本 川崎クニハル
ネタバレ度50%(後半ネタバレ度90%)
ストーリー
2000年3月
舞台監督/川村正治(市原隼人)と雑誌編集者の妻/美江(臼田あさ美)は横浜のテラスハウス「双葉荘」に越してくる。
家の大家/寺田幸吉(中原丈雄)、妻/直子(吉行和子)に挨拶に行く2人。
ある日、正治が1人で家にいる時、見知らぬ男性が家にいるのを目撃・・そして消えてしまう。
「幽霊なのか・・」と、驚く正治だが不思議と怖い気持ちはなかった。
美江に話すも信じてもらえない。
もっと知りたい方
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90%のネタバレ感想
第8回WOWOWシナリオ大賞受賞作を市原隼人が主演で映画化したものです。
引っ越した家には幽霊が住んでいました。でも怖さを感じない優しい正治ですね。
幽霊の男性も次第に正治に慣れて、挨拶のように軽く会釈したりするほど。
舞台監督の仕事をやめ、転職を考える正治は美江の配慮でライターの仕事をします。
思い切って正治は幽霊に話しかけてみるのですが・・聞こえないので筆談で話す2人。
男性の名前は、倉田誠司(中村倫也)とわかります。
話すうちに男性は絵描きであり、妻の稼ぎで生活も苦しいと知ります。倉田が描いてる絵を見せてもらい感激する正治。
倉田は26年前、双葉荘に住んでいることを知り、不思議な縁を感じる正治ですね。
一方、仕事が忙しくなり、夫婦の会話も少なくなる美江は正治がぼんやりしてることに気が付きます。それは正治が常に倉田を気にしていたからです。
そんな思いも知らず、美江は正治に対して不安を感じるように。
自宅で仕事をする正治は隣の沙希とよく会うようになり、一緒に家で食事をすることも。
沙希は優しく品もあり、食事を作ってくれる人でした。
ある日、正治は不思議な幻影を見てしまいます。
倉田の奥さんが(顔は見えない)が、大家の寺田と話してる時・・襲われてしまいます。
2階へ逃げる奥さんを追う寺田・・慌てて正治も追いかけますが幻影に触れることは出来ません。
奥さんは殺され、寺田は遺体を首吊り自殺したように移動させます。
驚き、倉田に報告する正治は泣いて「何も出来なかった。助けることが出来なかった」と、謝罪します。
ショックを受ける倉田。
この話を美江に告げる正治ですが・・それ以前の事で不信感をもたれ・・別居する2人です。
大家の寺田に部屋を引き払う、と告げる正治は文句を言われます。退去する時は前もって言うべきと。
けれど、倉田/奥さん殺害の件を指摘する正治に激しく動揺していました。
事件はすでに時効となっていたので、通報はしないと言う正治です。
その後、部屋を出た正治と美江。
1年後
偶然、寺田の奥さんと再会する正治は寺田幸吉が亡くなった事を知ります。
正治たちが住んでいた部屋の隣人、沙希のことを話すと・・そんな人はいないと言われます。
家に行き、倉田が描いていた絵を見せてもらう正治は、亡くなった倉田/奥さんのことを知り驚愕します。
写真を見せてもらうと・・自殺した倉田の奥さんは沙希でした。
その事を美江に告げる正治です。
それから・・倉田との関係を母から聞いて驚く正治でした。
彼が子供の頃、実は倉田と会っていた正治という展開ですね。ここは映画を見て楽しんでください。
幽霊といっても怖くなくて優しい倉田と沙希でした。沙希にすれば、愛する夫を残して自殺したのではない、と言いたかったのでしょう。
正治がその事実を解いてくれたような流れでもあり、興味深い作品でした。
倉田を演じた中村倫也の優しい雰囲気がとても良かったです。
奥さんが殺害されたのは驚きでしたけど、全体的にはほっこり系の映画なのでおすすめです。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★3個(満点5個)