2020年に本屋大賞を受賞した同名ベストセラー小説を基に実写化。
孤独な2人が惹かれ合う周囲には理解されない愛の物語。ネットフリックスで鑑賞、アマゾンプライムビデオでも見れます。
2022年制作・日本・150分・G
配給 ギャガ
監督 李相日
原作 凪良ゆう
脚本 李相日
ネタバレ度40%(後半ネタバレ度90%)
あらすじ
雨の日、佐伯文(松坂桃李)は公園でびしょ濡れの10歳の少女/家内更紗(白鳥玉季)に声をかけ、家に連れ帰る。
「家に帰りたくない」と、言う更紗はそのまま文の家で2ヶ月過ごす。
その後、警察に見つかり、更紗を誘拐した罪で逮捕される文。
15年後、「被害女児」として生きる更紗(広瀬すず)は恋人/中瀬亮(横浜流星)と暮らしていたある日、文と再会する。
もっと知りたい方
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90%のネタバレ感想
10歳の更紗が何故、雨の公園でびしょ濡れでいたのか?家に帰りたくない理由があったのです。
彼女の父は亡くなり、母に捨てられ、叔母に引き取られていた更紗。
けれど、叔母の息子/孝弘に性的虐待をされ、誰にも言えず・・苦悩していました。
そんな時、文と公園で出会ったのです。
2人は友達のように共同生活をしていて、男女の関係ではありませんでした。
文が警察に捕まった時、事情を話せば良かったのですが、孝弘に虐待されていたことを言えず。
文は「少女を誘拐したロリコン」更紗は「可哀想な被害者」と周囲から言われるはめに。
ずっと逮捕された文に申し訳ない、と強い思いがあった更紗です。
当時、文は19歳だったようです。
24歳になった更紗(広瀬すず)は生きづらさを感じつつも、亮と結婚を控えて見た目は幸せそうでした。
けれど、文がカフェで働いてることを知り、亮に黙って店に通います。
短い時間ですが文と更紗はあの時のように過ごします。
更紗の帰りが遅くなり、心配した亮は文に会っていることに驚き、激怒。
嫉妬の鬼となった亮は、文に対して嫌がらせをするように。写真を勝手に撮り、誘拐犯人!としてネットに流す亮。
更紗は呆れ、亮から去ろうとしますが・・彼女の気を引こうとナイフで自分を傷つけ、大騒ぎとなります。
(亮はモラハラだと思いました)
一方、文は自分を愛してくれる恋人/あゆみ(多部未華子)がいましたが、彼女を抱くことは出来ませんでした。
そんな時、更紗の存在を知ったあゆみは誘拐事件を知り、文が自分を信じてくれなかったから、事実を話さなかった、と考えて去ります。
この時、あゆみを傷つけまいと文は
「俺は小さい女の子が好きなんだ。もしかしたら大人とも出来るかなって・・試してみたかった」と言います。
文が何故、こんなに心を閉ざしているのか?それは母親の育て方、性格があったからだと思います。
昔、文の母/音葉(内田也哉子)は庭の木を育たない、はずれね、と抜いてしまいます。
(理想通りに育たなかった木)
「あなたが異常なのは生んだ私のせいなの?」
「やっぱり・・僕ははずれですか?お母さん、ちゃんと僕を見て」
最後まで文を見ないで遠くを見つめる音葉でした。
子供の時、文は母親から突き放されたように感じて、孤独の中で生きて来たのだと思います。
更紗が友人の娘/梨花を預かったことで文は再び、誘拐と警察に疑われます。
警察に事実を話しても信じてもらえない更紗。
誰にも理解してもらえなくても良い、ただ一緒にいたい・・と文と更紗の想い。
誰かに何かを指摘されたら、「またどこかに流れていけばいいよ」と答える更紗でした。
2人だけの世界、それだけで幸せを感じた2人だと思いました。
ここで終わります。
これって実際、あり得そうですよね。
映画を見て文はロリコンではない、と感じたので調べてみました。
原作によると、文は第二次性徴が来ない病気(クラインフェルター症候群)で、体も未発達な部分があり、性的な欲求もなく出来ないようです。
更紗を演じた広瀬すずも良かったけれど、子供時代の更紗役の白鳥玉季!この子が素晴らしい演技でした。
絶対に伸びる女優となるでしょうね。
そして文役の松坂桃李はもちろん素敵だけど、これがビジュアル的にイマイチな場合だったら、違う雰囲気の映画になっていたかも・・と感じました。
それほど松坂桃李が美しく、ハマり役で印象に残ります。亮を演じた横浜流星も怖いほどの迫力を感じます。
本当に見て良かったオススメしたい映画ですね。
未視聴の方は是非!
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★5個(満点5個)