ベルリン・フィルで女性として初の首席指揮者に任命された主人公の天才ゆえの苦悩を描いた物語。アマゾンプライムビデオで鑑賞です。
2023年制作・アメリカ・158分
ジャンル ドラマ、音楽
配給 ギャガ
原題 Tar
監督 トッド・フィールド
脚本 トッド・フィールド
ネタバレ度40%(後半ネタバレ度90%)
あらすじ
世界最高峰のオーケストラ/ドイツのベルリン・フィルで女性として初めて首席指揮者になったリディア・ター(ケイト・ブランシェット)。
天才的な能力、努力などで成功したスターとなるが・・。
もっと知りたい方
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90%のネタバレ感想
淡々と進む内容だったので正直、難しい感じもありました。特に冒頭、リディアがインタビューに答えるシーンは成功した音楽家として素晴らしい。でもあのシーンは少し長すぎた感も^^;
リディアはレスビアンを公言、パートナー、子供との生活があります。
英語的にはどうなのか・・不明ですが字幕では「男性言葉」になっています。
それがとても彼女の雰囲気にもあっていて、権力のある男性と重ねてしまいます。
権力ある男性のイメージとして、自分に都合の良く好きな女性を側に置く。
それはリディアも同じです。自分の権限で副指揮者のセバスチャンをクビにしたり。
気に入った新人をオーデションと言いながら、最初から彼女の起用を決めているとか。
やりたい放題という感じです。意識してるように見えないけれど、ハランスメントなリディア。
それを知ればやはり、嫉妬する人、復讐する人も出てくると思います。
昔の教え子クリスタが自殺、彼女はリディアに性的関係を強要され・・。クリスタが業界で働けないように行動するリディアは大人気ないですね。
リディアのそばでずっと秘書をしていたフランチェスカは、自分はいずれ副指揮者になれると信じてたのに・・他の人に奪われたことで激怒。
フランチェスカは少し、甘かった気もします。そんなリディアを許せず復讐するなんて。
リディアもまさか、秘書だったフランチェスカが自分に復讐するとは驚きだったでしょう。
リディアは自殺したクリスタ両親から告発され、社会では炎上。
パートナーもリディアから離れてしまいます。
ラストはスキャンダルにより全てを失ったリディアはフィリピンへ。
そこで指揮者としての第二の人生を歩み始めます。
精神的に追い詰められ、壊れてしまうかと思ったけど彼女は強かった。
新しい土地で好きな音楽を続ける、という選択でしたね。
まあ、自分が選んだ側近たちの裏切りもあったけど、自由に生きてきたリディアだから後悔もない、という感じ。
途中、説明が欲しいと思うシーンもあったのですが最後は纏まって良かったです。
本当に音楽が好きなリディア、初心に戻れば周囲の人たちもついて来たのかも。
全体的に私には難しい映画でした。でもケイト・ブランシェットの演技は素晴らしい、特に指揮者のシーン。
傲慢になれば見えなくなるものが多くなる、そんな印象の物語でした。ラストは初心のリディアと思います。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★3個(満点5個)