シチュエーションスリラーとしても意外性があって面白かったです。未視聴の方はおすすめ。
ネットフリックスで鑑賞、アマゾンプライムビデオでは有料でした。
2023年制作・日本・99分・PG12
配給 ギャガ
監督 熊切和嘉
原案 岡田道尚
脚本 岡田道尚
ネタバレ度40%(後半ネタバレ度90%)
あらすじ
社長令嬢との結婚式前夜、パーティで酔った川村俊介(中島裕翔)はマンホールの穴に落ちてしまう。
目覚めた俊介は足を負傷、スマホで助けを呼ぼうとするが・・相手にされなかった。
仕方なく元カノ/工藤舞(奈緒)に連絡するも場所を教えられず・・。
もっと知りたい方
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90%のネタバレ感想
普通、この展開だと携帯が使えないことが多いのですが!この映画は逆に携帯を使いまくり・・というのが面白かったですね。
警察は酔った相手を本気にしてくれず、他の友人とは連絡もつかない。携帯のGPSも使えません。
結局、元カノの舞だけが話を聞いてくれたのです。
それでも最初、上から目線の俊介の態度にはイラつきました。
人に何かを頼む態度じゃなかったからです。エリート社員だから偉そうなのかな。
舞のアドバイスで、足の怪我の手当をする俊介ですが結構、痛そうなシーンでありました。
舞の指示通りにホチキスで傷口を縫うのでした。
俊介は場所を調べるため、スマホを上に投げて撮影、それでわかったことはマンホールの絵などでした。
穴の中ではガス臭もあり、泡もすごくて俊介が埋まってしまうほど。
後半では警察も動いてくれるのですが、彼はそれを拒否します。
翌日、結婚式を控えてる身分でそんなことを・・って感じもアリですね。
そして驚いたのがSNSを利用、新アカウントをその場で作り、「マンホール女」として助けてください、と投稿します。
男だと助けてもらえない、と考えた俊介。
女性がマンホールに・・とSNSでは話題になり、色々な人たちがアドバイスをくれます。
俊介は渋谷だと思っていた場所が違うと判明、誰かにお酒の中に薬を入れられ、拉致された?と疑心暗鬼になります。
そして・・証拠もないのに同期の加瀬が薬を入れた?と決めつける俊介。
SNSのフォロアーにより、加瀬は個人情報を暴かれ、暴行されてしまいます。
そして場所もほぼ特定できて・・暇な動画配信者が助けに来てくれるのですが・・。
彼は役に立たず去っていきます。
マンホールの中には死体があり、それで俊介は埼玉県の大塚村と気が付きます。
小学校の跡地だと舞に伝え、来てくれるよう懇願。
回想
大雨の日、吉田は川村俊介を殴り、マンホールの中に彼を放り込み逃走。
その後、吉田は川村俊介の画像を医師に見せて整形。
回想(終)
川村俊介に成り変わった吉田は、恋人の折原奈津美に連絡。無言だった彼女は恋人の偽物・・と、気がついてると判断する吉田です。
こんな風に自分に復讐した犯人は・・川村俊介の恋人/折原奈津美と考えます。
マンホール女として、SNSには「犯人は判明したけれど警察沙汰にはしない」と投稿。
新たにSNSの別アカウント「ナデシコ」を作成、「許せません」と、折原奈津美が犯人と投稿。
またも新たに別アカウント「マンホール男」を作成、「折原奈津美を殺せ、殺せ」と笑いながら投稿する吉田。
自作自演ですね。
SNSでは吉田のマンホールの場所がバレたので、慌てて「もう助けてもらいました」と、嘘を投稿します。
来られたらマンホール内の遺体を見られてしまう、と怯えるのでした。
警察からも電話で、助けにいきます、と言われ慌てて必要ないと答える吉田です。
舞が現場に到着、助けてもらう吉田はやっと地上に出られます。
そこにいたのは・・舞ではなくて折原奈津美(黒木華)で驚愕の吉田。
川村の携帯を操作して、自分に来るように設定していたのでした。
(舞の番号は奈津美の番号)
奈津美に襲われる吉田は泣いて懇願
「子供がいるんだ。警察に行ってもいい・・ただ、一度だけ、この手で子供を抱きしめたいんだ」と言います。
本当の自分は親も含め、誰にも気づいてもらえない存在だった、と。
去ろうとする奈津美の首を絞め、
「この男がそんなに好きか?死ぬ前にたっぷり見られて良かったな。クソみたいな人生はな・・結局、死ぬまでクソなんだよ!俺は他人の人生奪ってここまで這い上がってきたんだよ。こんなところで終わるわけにはいかねえんだよ!」
奈津美の首を絞め続ける吉田・・その時、少年の撃つボーガンでマンホールに落ちてしまう。
「正義に乾杯!」
落ちたマンホールの中、スマホを確認する吉田。
「マンホール姫を無事に助けることが出来た。正義に乾杯」と画像付きの投稿を読みます。
書いたのは「深淵のプリンス」
画像は奈津美。
「違う!そこにいるのは・・犯人の折原奈津美だ」と叫ぶ吉田。
少年はマンホールを蓋で閉じてしまう。
恐怖で叫び出す吉田・・。
完
人を騙す吉田!自分勝手ですよねえ。
最後はこんな形で終わるとはびっくり。少年はずっとSNSで吉田の投稿を読んでレスしていたのでした。
彼は本当に奈津美をマンホール姫だと思ってたみたい。
その割には吉田を放置するのも・・笑えます。
奈津美は結局、自分の恋人/川村俊介を殺害した吉田に復讐したのだと思いました。
どうしてわかったのか?とか、それは描いていないのでわからないけど。
この奈津美を演じたのが黒木華でした。最初、電話で声だけだったので・・気が付かなかったですね。
雰囲気も良かったです。
自分の存在を認めて欲しかったのか・・それと人の人生を奪ってまで這い上がりたかった吉田だと感じます。
川村を殺害までした理由は描かれていませんが。
不動産会社で成績優秀、上司や部下からも信頼されていた吉田(川村)。
これなら、別に人の顔を奪わなくてもそのままの顔で良かったのでは?と、思ってしまいます。
初めは酔って渋谷のマンホールに落ちた・・と思ってたら、「渋谷では雨は降っていない」とか、色々な情報で考えた吉田は「誰かに酒の中に薬を入れられ、拉致され・・マンホールに落とされた」と考えたのでした。
事故じゃなかったんですよね。
これがすべて奈津美の仕業とは驚きです。
川村俊介の妹としてSNSに投稿、「マンホール女」としても助けを呼んでいた吉田。
ネット民の怖さもあり、深淵のプリンスの投稿も本気で見応えありました。それにあんな幼い感じの少年!ってことも。
とにかくメチャ面白かったのでおすすめ。狂気を演じた中島裕翔もすごく良かったです。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
好き度は★4個(満点5個)